猫さんの搔痒症には4種類の皮膚症状が存在します。
①粟粒性皮膚炎(ぞくりゅうせいひふえん)
②自傷性性脱毛症(じしょうせいだつもうしょう)
③頭頚部掻破痕(とうけいぶそうはこん)
④好酸球性肉芽腫群(こうさんきゅうせいにくがしゅぐん)
①粟粒性皮膚炎
・皮膚表面にぶつぶつができる皮膚炎です。
・ぶつぶつの表面はかさぶたのようなものでおおわれています。
<代表的な原因>
・ノミ刺傷、猫疥癬、蚊刺咬過敏症、ツメダニ症
・皮膚糸状菌症(皮膚真菌症)
・ノミアレルギー性皮膚炎、食物アレルギー、猫アトピー性皮膚炎
②自傷性脱毛症
・過剰に掻いたり舐めたりすることで生じる脱毛
・実際は被毛が抜けているわけではなく、裂毛(折れる/切れる)で
ある。
<代表的な原因>
・外部寄生虫(ノミ、ツメダニ、シラミ、ニキビダニなど)
・アレルギー性皮膚疾患
・疼痛(舐める理由が痛みのため)
・違和感(例:膀胱炎があると下腹部をよく舐めることがある)
・心因性脱毛症
③頭頚部掻破痕
過激な掻破により頭部や頚部に生じた脱毛及び掻き傷をさす。
ひどい場合には広範な潰瘍認めることもある。
<代表的な原因>
・外部寄生虫(ノミ、ツメダニ、シラミ、ニキビダニなど)
・アレルギー性皮膚疾患
・皮膚感染症(ウイルス性感染症、皮膚糸状菌症)
・アクネ(下あごにできるぶつぶつ)
・心因性脱毛症
④好酸性肉芽腫群
白血球の1種である好酸球が原因で生じる皮膚病変。
・好酸球性潰瘍:上唇に潰瘍ができる(えぐれているように見える)
・好酸球性プラーク:皮膚が円形~卵形に盛り上がっている。表面は赤く脱毛している。ひどい場合は潰瘍を伴う。
・好酸球性肉芽腫:下唇~下顎の腫脹、口腔内病変(舌や軟口蓋などにできる)、後肢の皮膚が線状に隆起し表面は赤く脱毛している。